新熊野学講座「熊野観心十界曼荼羅の役割と意義について」

講座・講演

開催日 令和7年1月25日(土)
時間 午後1時30分~3時30分 受付:午後1時から
場所 展示棟 映像ホール
参加料・入場料 無料
定員 80名(要申込・先着順)
募集受付期間 令和6年12月24日(火)~令和7年1月24日(金)午後5時まで
講師 瀧川和也氏(三重県総合博物館学芸員)
主催 三重県立熊野古道センター
対象 一般

 熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の三社は、「熊野三山」と総称され、その信仰は平安時代に始まり、中世から近世にかけて、男女や身分の差を問わず多くの参詣者を集めました。
 その熊野三山の信仰の拡大に尽力したのが「熊野比丘尼」です。室町時代から江戸時代にかけ、熊野信仰の布教や熊野三山の造営・修造の勧進の為に諸国を歩いた尼僧で、「熊野本願寺院」から派遣され、日本全国で広く活動しました。彼女らは、「熊野観心十界曼茶羅」を折りたたんで持ち歩き、往来の人々に絵解きと呼ばれる解説を行いながら熊野への参詣を勧め、堂舎造営のための寄進を募りました。
 熊野比丘尼が持っていた「熊野観心十界曼荼羅」は縦1.5メートル、横1.3メートルもあり、何枚かの和紙を貼りつないだ大画面に生と死を主題に描いた宗教絵画です。上部には人の一生を表す坂道、その下には仏、菩薩をはじめとする迷いと悟りの十の世界が描かれています。
 三重県総合博物館の学芸員である瀧川氏が、戦国時代から近世の初めにかけて、熊野比丘尼と呼ばれる女性の宗教者が用いたと考えられている「熊野観心十界曼荼羅」について、三重県内に残る作例を中心にスライドを使いながら解説します。その果たした役割と意義に関しては、今の私たちの暮らしにもつながる気づきがあるかもしれません。

〈 一覧に戻る