新熊野学講座「峠の茶屋の忘れ物 ~紀北町の熊野古道 江戸道と明治道~」

講座・講演

開催日 令和6年11月2日(土)
時間 午後1時30分~午後3時30分
場所 展示棟 映像ホール
参加料・入場料 無料
定員 80名(要申込・先着順)
募集受付期間 9月10日(火)~11月1日(金)午後5時まで
講師 家崎彰氏(海山郷土資料館主事・海山郷土史研究会)
主催 三重県立熊野古道センター
対象 どなたでも

 熊野古道伊勢路は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の中でも三重県の伊勢神宮と紀伊半島南部にある熊野三山を結ぶ古道です。主に江戸時代以降、伊勢参宮を終えて西国三十三所巡礼に向かう旅人が歩いた巡礼の道として知られていますが、古くから地域の人々が行き交う生活の道でもありました。
 紀北町や尾鷲市の熊野古道では、「江戸道」「明治道」と書かれたルート案内が見られる箇所があります。江戸道とは、集落と峠を最短距離で結ぶルートであり、急勾配かつ、つづら折れの続く道となっています。一方で明治道は、傾斜のきつい山道を避けて大きく迂回するルートをとっています。これは近代に入って車(荷車や人力車)を通行させる為に整備された道であることが理由であり、少しでも勾配を少なくするために作られた大きな切通しが見られる峠もあります。「江戸道」と「明治道」、人々は目的地までの距離や時間、物資運搬の利便性などから、それぞれの目的に応じたルートを選択して峠を越えていました。
 また、多くの人が行き交った峠には茶屋が存在し、旅人が休息や軽い食事をとっていました。その様子は江戸時代の道中記にも記されており、茶屋があった場所からは江戸~明治時代にかけて使われた陶磁器などが多数見つかっています。
 今回の新熊野学講座では、紀北町の熊野古道に見られる江戸時代・明治時代に使用されたそれぞれの道や、峠に存在した茶屋の痕跡について郷土史研究の視点から解説をいただきます。会場では、講師の家崎彰氏の調査により発見された茶屋跡に残された陶磁器や、江戸道・明治道の写真パネルの展示も行う予定です。

【講師プロフィール】
家崎彰氏(海山郷土資料館主事・海山郷土史研究会)
紀北町在住。海山郷土史研究会会員、尾鷲市文化財調査員。
自身が主事を務める海山郷土資料館にて、歴史民俗や郷土史に関する数々の企画展示を行う。2024年夏には、海山郷土資料館にて企画展「峠の茶屋の忘れ物 紀北町の熊野古道 江戸道と明治道」を開催。

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