企画展 熊野の城~山城から歴史を紐解く~

過去の企画展示

開催期間 令和6年10月26日(土)~12月8日(日)
休館期間 会期中無休
開催場所 企画展示室
入場料 無料

 中世までの日本の城は、山城や居館跡を含めて全国で 4~5万ほどあったと考えられています。その後江戸時代初期までに、天守閣を持つ400城ほどの近世城郭が建造されました。しかし江戸幕府の「一国一城令」、明治政府の「廃城令」により多くが失われ、アメリカ軍による空襲でも失われてしまいました。現在、一般の方が見学できるように復元や整備された城は200城ほどで、そのうち中世末期から江戸時代末期までの天守閣が残っている、いわゆる現存天守は12城です。
 今回の企画展では、東紀州の中世城郭を中心にご紹介します。現在、東紀州全体では所在不明の城も入れて80余りの城郭が確認されています。東紀州に残っている城跡に建物は残っていませんが、小規模な山城を築く際にも石垣を伴ったものが多いのが特徴的です。城を築いた場所に多くの石材があった事が理由と考えられます。現代でも一般住宅の石垣や、田んぼの段に石垣が使われているようすをよく目にします。また、なにより熊野古道の石畳や野面積の道普請、猪垣などに石材が多用されており、昔から山に作る人工的な構造物に石を利用することは自然なことだったと思われます。
 東紀州の特徴的な城郭を紹介し、それぞれの地域で生まれた土豪集団が割拠する中世奥熊野の歴史を紐解きます。

 

また、企画展付属講演会も開催します。

企画展付属講演会「東紀州の城を楽しむ」 
 城といえば姫路城をはじめとした天守や櫓、あるいは石垣を備えた近世の城をイメージする人が多いと思います。三重県内では田丸城や鳥羽城、近隣では新宮城があります。でも、それらが出現する以前の中世の城は土造りが普通で、三重県内には実に1,000を超える城がありました。現在、その大半は人知れず埋もれていますが、これらの城は戦国動乱を生きた国人、地侍たちの活動の舞台となったところです。
 今回は県内の中世城郭の分布を概観した上で、東紀州の城の姿をご紹介します。また、消滅してしまった城や詳しいことが分からない城の復元、未知の城を見いだす手法についてもお話しします。

開催日時:令和6年11月24日(日)午後1時半~3時まで
入場料:無料
定  員:80名(要申込・先着順)
講  師:伊藤 徳也氏(元県立高等学校校長)
開催場所:三重県立熊野古道センター 展示棟 映像ホール
受付期間:令和6年10月23日(水)~11月23日(土)午後5時まで

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