企画展 「写真で懐古・故郷の暮らしと風景~熊野市~」

過去の企画展示

開催期間 令和4年11月3日(木・祝)~12月4日(日)午前9時~午後5時
休館期間 会期中無休
開催場所 展示棟企画展示室
入場料 無料

 三重県熊野市は2005年11月1日に旧熊野市と紀和町が合併し誕生しました。紀伊半島の南東部に位置し、北は尾鷲市・奈良県、南は御浜町・紀宝町、西は和歌山県・奈良県と接しています。
 熊野市の東側は熊野灘に面しており、リアス式海岸となっている北部には捕鯨で栄えた二木島湾や柱状節理が見事な名勝楯ヶ崎、南部は熊野古道伊勢路の一部でもある美しい海浜、七里御浜が続いています。七里御浜でも比較的波が穏やかな木本町の脇の浜は、各地からの物資が集まる船着き場であり、かつては多くの漁船や巡航船で賑わいました。
 山間部の神川町では昭和の初めごろ、伐採した材木を筏に組んで北山川から新宮に下る筏流しが見られました。また、同じく山間部の紀和町板屋には奈良時代から昭和53年まで続いた鉱山があり、昭和40年頃にはおよそ一万人が暮らす鉱山の町として大変栄えました。
 市街地である木本町は、江戸時代から奥熊野の中心地として栄え、「町割り」で整理された古い町並みが現在も残っています。昭和15年の紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開業を機に造られた木本記念通りは戦前にも関わらず二車線・歩道付きという近代的な造りで、やがて駅を利用する観光客を目当てに多くの商店が集まるメインストリートとなりました。一方、同じく市街地である井戸町は60年ほど前まで水田が広がっており、山を削って土地を埋め立てたことで今の姿になっています。その後、学校や県庁舎、警察署、郵便局などの施設が建設され、熊野市の中心として特に大きく様変わりした地域です。
 今回の企画展では、大正~昭和にかけて撮影された熊野市の古写真を紹介します。熊野市の人々の暮らしとそれを取り巻く町の景観、未来に伝えていきたい文化財などを知っていただく機会とします。

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