三瀬の渡し

2022年8月31日

その他

ロビー展で展示していた『大福日記帳』には、舟渡しがある場所を何ヶ所か書いています。今回はその中でも「三瀬の渡し」をご紹介します。「三瀬の渡し」は宮川の上流にある渡しです。大台町下三瀬から大紀町三瀬川へ、宮川を舟で渡ります。

『大福日記帳』には「三瀬の渡し」について次のように書いています。アイキャッチ画像の真ん中です。

「此間見瀬川あり 十弐文 宮川上也」

この間(「見瀬」と「野尻」の間)に見瀬川がある。渡し賃は12文である。宮川の上流である。

たった1行ですが、三瀬の渡しについて書いています。『大福日記帳』を書いた橋畑たちの場合、渡し賃は12文でした。他の道中日記では6文とするものが多いです。水量などにより渡し賃は変わり、水量が多いと高めに設定されます。逆に少ないと、川の上に船を浮かべてその上を歩いて渡っている場合もあります。橋畑たちが三瀬の渡しに来た時は水量が多かったのかもしれません。

また、三瀬の渡しが宮川の上流であるという情報は、道中案内記(ガイドブック)によく書いてあります。おそらく、この記述は道中案内記を参考にしたのではないかと思います。

以上、三瀬の渡しについてでした。

ロビー展は今日まででした。ご覧いただきありがとうございました。

三瀬の渡しを渡っている様子(2021年12月16日)

※三瀬の渡しは保存会により復活しており、渡し体験ができます。体験をされたい方は予約が必要です。詳細はHPなどで確認してください。

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