地名の漢字(道中日記から)

2022年8月14日

その他

道中日記で書かれる各地の地名は、現在使われている漢字ではなく筆者オリジナルの当て字を使うことがあります。今回ロビー展で展示している『大福日記帳』では、なかなか読めない当て字を使っている箇所があります。

アイキャッチ画像の四角で囲んだ文字は「在摩」と書いてあります。これは「有馬」(ありま)のことで、現在の熊野市有馬町です。「有馬」という地名を知らない人が見ると、読み方もわからないのではないでしょうか。

続いてこちらです。右側の四角で囲んだ文字は「大風」と書いてあります。これは「相鹿瀬」(おうかせ)のことで、現在の多気町相鹿瀬です。また、左側の四角で囲んだ文字は「青尾」と書いてあります。これは「粟生」(あお)のことで、現在の大台町粟生です。

このように様々な当て字を使って地名を記しています。当時の人々にとって、地名の漢字の違いはそれほど重要ではなかったと思われます。現在の地名から考えると、そんな漢字を使うのかと驚くことが多々あります。

以上、地名の漢字についてでした。

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