ゟ(より)

2024年5月18日

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 江戸時代の古文書を読んでいると、「ゟ」という文字が出てきます。これは「より」と読みます。現在では使われない「合字(ごうじ)」というもので、複数の文字を一つの文字にしたものです。「ゟ」はかなの「よ」と「り」の合字です。他にも「ヿ(コト)」など色々ありますが、江戸時代の古文書では「ゟ」が一番目にする機会が多い合字ではないかと思います。以下、「ゟ」が書いてあります。

 上から順に『西国順礼道中記』・『西国順礼旅便利』・『西国順礼細見記』・〔西国順礼案内記〕・『西国順礼道中杖』という資料です。いずれも西国巡礼を案内する道中記で、熊野古道伊勢路のことが書いてあります。「ゟ」が使われているのは、「おわしゟみきへ」というように「(地名)ゟ(地名)」と書かれている部分です。このため、道中記ではよく「ゟ」が出てきます。今回の画像で「ゟ」は覚えていただけたのではないでしょうか。

 以上、「ゟ」についてでした。お読みいただきありがとうございました。

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