夏休みの自由研究

2024年7月26日

企画展の見どころ

 夏休みですね。宿題は進んでいるでしょうか。最近は夏休みの宿題で自由研究がなくなったと聞きますが、もし自由研究のテーマが全く決まっていないという方は、「熊野古道伊勢路」をテーマにしてはいかがでしょうか。熊野古道伊勢路に生えている植物や江戸時代の熊野古道伊勢路を歩いた人々についてなど、「熊野古道伊勢路」だけでもたくさんの研究テーマがあるかと思います。

 筆者は小学生の頃から歴史が好きで、完全な文系人間だったため、理科系の自由研究には残念ながらあまり乗り気ではありませんでした…。そこで、三重県出身の歴史上の有名な人物を調べたことがあります(本居宣長、松尾芭蕉、松浦武四郎など)。確か小学6年生の時です。自分で本を探して、本を読んで、一覧にまとめました。いわゆる調べ学習ということになるかと思いますが、これだけでも自由研究として一応は形になりました。

 皆さんも自由研究で調べ学習しようかなという場合は以下のように進めてみてはどうでしょうか。

①テーマを探す
 これが大変ですね。興味のあることならなんでもいいと思います。

②調べる
 テーマが決まったら、そのテーマについて書いてある本を探します。もしくはインターネットで探してもよいでしょう。本の場合は図書館で探すのが一番よいかと思います。わからなければ司書さんに聞いてみましょう。インターネットの場合は情報源に気を付けた方がよいです。
 誰かに聞いてみる(インタビュー)のも重要な調査です。事前に質問を考えて、インタビューしてみましょう。

※本を読む場合
 探していた本が見つかったら早速読んでみます。この時、気になった部分があったらメモをとったり、「ふせん」をはったり(図書館の本には「ふせん」ははらないようにしましょう。「しおり」をはさむのがよいです)するなどして調べます。

③まとめる
 色々調べて情報がたくさん出てきたらそれを整理してまとめます。ノートにまとめてもいいですし、大きな紙一枚にまとめてもいいと思います。パソコンが使える人はWordやExcel、PowerPointなどでまとめるといいと思います。PowerPointが使いやすいかもしれません。

④考察
 情報がまとまったら、そこから何がわかるか考えて自分の意見を書いてみましょう。そして反省点や、もっと調べた方がいいなと思うことがあればそれも書いてみましょう。ここまでできたらもう立派な研究です。実験や観察などの場合も、調べる→まとめる→考察するという流れは同じだと思います。

 熊野古道伊勢路について自由研究する場合、当センターで9月1日まで開催中の世界遺産登録20周年記念特別展示室企画展「収蔵品に見る熊野古道伊勢路」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
 今回の特別展示室企画展では、当センター所蔵の江戸時代の熊野古道伊勢路について書いてある資料を展示しています。「難しい」と思われるかもしれませんが、中身が読めなくても見た目でわかることもあります。

 例えば、道中記(江戸時代のガイドブック)を見てみます。熊野古道伊勢路のことが書いてある道中記です。写真ではわかりにくいかもしれませんが、大きさはそれほど大きくありません。字もそれに合わせて小さいです。現在本屋さんなどでよく売っているガイドブックはもっと大きいものが多いのではないでしょうか。なぜ小さいかというと、持ち歩きできてあまり荷物にならないようにするためです。江戸時代は歩きの旅でした。荷物はなるべく少なくした方がよいため、ガイドブックも小さいのです。

 また、1冊1冊を比べてみると、意外と大きさが違います。分厚いものもあれば薄いものもあります。一番分厚い「西国順礼道中細見大全」というガイドブックは、分厚いだけあって江戸時代の熊野古道伊勢路のガイドブックの中では最も情報量が多いガイドブックです。とても人気があって何度も出版されました。こうした細かい違いもよく観察してみると、思わぬ発見があるかもしれません。

 また、入口には展示内容を簡単にまとめた資料を置いています。ご自由にお持ちください。今回の特別展示室企画展は全て撮影OKです。ぜひ写真に撮ってください。※企画展の方も撮影OK(フラッシュ禁止)です。
 そして特別展示室のすぐ横には図書資料室があります。貸出はしていませんが、棚や机にある本は全て読むことができます。調べものにはピッタリの場所だと思います。

 以上、夏休みの自由研究についてでした。お読みいただきありがとうございました。

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