ロビー展「熊野古道 観音道と観音信仰」

開催中

開催期間 令和6年7月13日(土)~8月18日(日)
休館期間 会期中無休
開催場所 展示棟ロビー
入場料 無料

 熊野市大泊町の観音道は、登り口から約1㎞先にある比音山清水寺、通称泊観音へ向かう古道であり、その道中の至る所に西国三十三所に因んだ観音石像が安置されています。
 観音信仰が庶民の間にも広く浸透した江戸時代、熊野古道伊勢路は関東や東北から伊勢神宮への参拝に加えて西国三十三所巡礼に向かう旅人で賑わいました。この時代に刊行された道中記には泊観音に関する記述が残されており、伊勢路を辿った旅人の多くがこの観音道を訪れたことが分かります。
 また、巡礼の旅が大衆化していくと、経済的な理由などから長期間の旅が困難な人々の為に、各地に西国三十三所をはじめとした著名な巡礼地を模した観音霊場が創設されます。現代ほど気軽に旅に出ることができなかった時代、比較的近場で巡ることのできたこれらの霊場は、庶民にとって魅力的かつ親しみのある存在でした。観音道に並ぶ西国三十三所の観音像や「観音様へ〇丁」と彫られた町石は、地元の信者や観音講の人々によって寄進されたものであり、この地域にも観音信仰が深く浸透していたことを物語っています。
 今回のロビー展では、熊野古道伊勢路の中でも観音信仰との深い関わりを持つ観音道を取り上げます。地元の人々に親しまれ、深く信仰されてきた泊観音と観音道について、写真と解説パネルを中心に展示します。

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