体験教室「伊勢型紙でつくる干支の豆色紙」を開催しました!
2025年12月21日
イベントレポート
令和7年12月14日(日)、三重県鈴鹿市が誇る伝統的工芸品「伊勢型紙」の繊細な技術と美しさに触れる彫刻体験教室を開催しました。

伊勢型紙は、着物の布地に文様を染めるための型紙で、千年以上の歴史を有しています。鈴鹿市白子地区はその産地として知られ、古くから職人たちが一枚一枚、丁寧に彫り上げてきました。
型地紙と呼ばれる、柿渋で加工した和紙に細やかな模様を彫る技術は全国的にも高く評価され、昭和には国の重要無形文化財に指定されました。
近年では、着物の染色用途にとどまらず、インテリアやアート作品としても注目されるなど、伝統を守りながら新たな表現にも挑戦が続けられています。

今回の体験では、来年の干支である「午(うま)」をモチーフにした図柄を彫っていただきました。参加者の皆さんが制作した型紙を用いて、講師が豆色紙に染めを施し、世界に一つだけの干支飾りに仕上げました。
講師は、伊勢型紙彫型画会 会長の大杉華桜(おおすぎ・かおう)さんです。

華桜さんは、江戸時代から伊勢型紙を継承してきた大杉家の七代目で、祖父であり伊勢型紙界の重鎮・大杉華水さんのもと、幼い頃から技術を学ばれました。17歳で家業を継ぎ、大学では国文学を学びながら、伊勢型紙の魅力を言葉でも伝えられるよう研究にも力を注いでこられました。
令和元年には雅号「華桜」を襲名し、彫型画会の会長に就任。現在は国内外での展覧会や体験教室を通じて、伊勢型紙の魅力を広める活動に取り組んでいらっしゃいます。


体験では、着物の染色に用いられる型地紙に、来年の干支「午(うま)」をモチーフにした図柄を重ね、デザインナイフで彫刻を施していただきました。大杉さんと、伊勢型紙彫型画会会員の小粥さんのご指導のもと、初心者の方も熱心に、そして丁寧に制作に取り組まれていました。
1枚の図柄を約1時間かけて彫り上げ、多くの方が2点目の作品制作にも挑戦されました。集中している間は静かな時間が流れ、会場全体がとても落ち着いた雰囲気に包まれていました。


完成した型紙は、講師が豆色紙に図柄を写し出して作品として仕上げたほか、参加者ご自身にもポストカードにスタンプ用インクで図柄を写す体験をしていただきました。

作品は、自宅で飾っていただけるようヒノキ製のスタンドとともにお持ち帰りいただき、中にはスタンドに来年の抱負などを焼き入れする参加者の方も見られました。
参加者からは、
「1時間半、久しぶりに緊張感を持って集中できました。美しく仕上がってうれしいです。来年も参加したいです。」
「初心者にも分かりやすくご指導いただき、感謝しています。」
「華桜先生のお話が面白く、伊勢型紙に興味を持ちました。」
「力の入れ方が難しかったですが、味のある作品に仕上がったと思います。」
など、うれしい感想が寄せられました。
本体験を通じて、華桜さんとともに彫る楽しさ、作る喜びを味わいながら、三重の伝統文化に触れていただくことができたと感じています。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
