脚絆

2025年8月5日

その他

 子ども体験企画展では巡礼衣装体験ができます。笠や笈摺(おいずる)などはお馴染みかと思いますが、脚絆(きゃはん)もつけることができます。脚絆とは、足(膝から下)に巻いて足を保護するためのものです。巡礼者に限らず旅人の多くはつけていました。

 『西国三十三所名所図会』を確認してみると、例えば「蚊野松原」(現在の玉城町、今はありません)では、旅人らしき人が足に脚絆を巻いているのがわかります。

蚊野松原

 一方、「木本湊」(現在の熊野市木本)では、木本の町の様子が描かれ、大きな魚を売っている男性・この男性の脇にいる女性と子ども・魚を見ている女性などは、裸足もしくは草鞋らしきものを履いているのみです。この人たちは地元の人で、長距離を歩いているわけではないので、脚絆をつける必要がないと考えられます。

木本湊

 「田丸城下」も見てみます。笠をかぶったり手に持っていたりする人たちは、旅人・巡礼者と考えられ、足に脚絆をつけている様子がうかがえます。一方で、道路の真ん中あたりの、野菜か何かを持っている男性は裸足です。おそらく地元の人なのでしょう。この男性は、馬を引いている男性の方を向いて何か話しているようにも見えます。一方、野菜を持っている男性とは異なり、馬を引いている男性は脚絆を巻いています。この男性は馬子(馬を引いて人や荷物を運ぶ人)だと思うのですが、長距離を歩いてきたとみられます。よって足が傷ついたりしないよう、脚絆を巻いていると考えられます。

田丸城下

 現在でも山歩きの際は肌が露出しないように、長袖長ズボンをはきます。当時も、足に何かが当たったり裾が何かに引っかかったりして、ケガをすることがないよう、脚絆を巻いていました。今でも実用的に使えるものだと思います。

 以上、脚絆についてでした。お読みいただきありがとうございました。

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