熊野古道自然学校「旅するチョウアサギマダラ」

2023年10月30日

イベントレポート

熊野古道及びその周辺の植物や生き物などの自然について学ぶ熊野古道自然学校、今回は、常設展示でも紹介しているアサギマダラの生態を学ぶ観察会開催しました。

まず三重県立熊野少年自然の家の研修室にて、講師より、アサギマダラの生態、雌雄の見分け方、マーキングの仕方・意義、そして蝶の捕まえ方・捕虫網の扱い方について解説しました。

「横からすくって、くるりと返して口をふさぎ、地面にそっとおろす。そうしてから網のてっぺんをつまんで高く持ち上げ・・・・・」

勢いよくバサッと被すと蝶が傷つくのでダメ、アサギマダラは警戒心が弱いのでそんなことをする必要もないとのことです。

その後、一人1本捕虫網をもって外に出て捕虫網取り扱い実践練習の後、敷地内にてアサギマダラを一人一匹づつ捕獲、マーキングを行いました。

次いで、車で御浜町の尾呂志にあるフジバカマ畑に移動・・

群れ飛ぶアサギマダラを観察しました。こちらではマーキングなどはできません、観察だけです。

よくみると、羽がやぶれている個体も多かったです。やはり「渡る」のはかんたんなことではないのだなあと感じました。

畑の持ち主の方にお願いして、手でそっと摑まえて観察することを許可していただきました。

         

一角にはキジョランが植えられていて、卵と、幼虫も見ることができました。
葉はうまれたあとの餌なので、葉一枚につき、卵ひとつ。
薄黄色の卵はうまれたて、黒ぽい卵は孵化が近い・・

幼虫はまだ爪の先のかけらほどに小さくて、
見つけた男児は講師に褒められてにこにこしていました。

ふんわりしているけれど俊敏な飛行、
鱗粉が少ないため水晶のようにあわく透けている羽など、
実際に見るとやはり震えるほど感動します。

小学生達は他の蝶や虫も取っては講師に名前を聞きに行っていて、とても嬉しく感じました。
生物は想像を絶するほどよくできている。どんどん興味を深めていってくれるといいな…と思います。n

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