4/29知られざる熊野探訪ツアー「伊勢路曽根次郎坂・太郎坂」

2023年5月11日

イベントレポート

4月29日(土)、知られざる熊野探訪ツアー「伊勢路曽根次郎坂・太郎坂」を開催しました!(※去年度に開催を予定しておりましたツアーの延期開催となります)

今回は熊野古道伊勢路の一部である曽根次郎坂・太郎坂を歩き、尾鷲市と熊野市の境にある甫母峠を越えるツアーです。
貴重な史跡が数多く残るこのコースを案内人の東公雄さんと一緒に歩きました。

集合は熊野古道センター。まず大曽根浦駅まで歩き、JRで賀田駅まで移動します!

賀田駅から曽根次郎坂・太郎坂登り口に向かう途中、曽根の町にも見所が!

かつてこの地を治めた曽根弾正の屋敷跡がこちらです。
本名は「佐々木宇右衛門」というそうですが、昔は実名を名乗ることが避けられていた為、ここでは曽根弾正と名乗っていました。
「弾正」とは不正を正すという意味なのですが、曽根弾正は昔この地の人々を悩ませていた盗賊を厳しく取り締まっていたそうです。ぴったりの名前ですよね。
曽根次郎坂・太郎坂の登り口の近くには、曽根弾正夫妻とその長男の墓碑もあります。人々の安全を守った名君として尊敬されていたんですね。

いよいよ曽根次郎坂・太郎坂を歩いていきます。美しい石畳道は道幅が広く、とても歩きやすいです。

途中には、江戸城の築城にも使われた石材を切り出した石切り場の跡が。
近くを歩きながら足元をよく見ると、石畳の中に切り出された跡のある花崗岩が入っているのを見つけました。

曽根の一里塚付近で一休み。
旅人が歩く距離や、馬や駕籠の料金を支払う目安になっていました。
写真の奥、道の両脇には土が盛られていて少し高くなっているのが分かります。

甫母峠まであと少しという場所に、行き倒れた旅人を供養する巡礼供養碑が。
曽根次郎坂・太郎坂にはここを含めて3か所に巡礼供養碑が佇んでいます。
西国第一の難所である八鬼山峠から続く峠越えで力尽きてしまった旅人も多かったのでしょう。

甫母峠に到着しました。ここが尾鷲市と熊野市の境目になります。
曽根次郎坂・太郎坂という道の名前は、「自領・他領」が訛ったものと言われており、ここが紀伊の国と志摩の国の境目であったことに由来しているそうです。
峠には、明治29年に新道が開削されるまで営まれていた「ほうじ茶屋跡」が残っています。
私たちもこちらでお昼休憩をしました。
ここから二木島の町を目指して歩いていきます。

楯見ヶ丘からは二木島湾を眺めることができます。暖かい日はここでお弁当を食べるのも良いですね。

二木島の町が近づいてくるにつれ、イノシシやシカの侵入を防ぐ猪垣が見えはじめます。
山が海岸線のすぐ側まで迫っているこの地区では、平地だけではなく山の中にも田畑を拓いていたそうです。
かつては大泊から二木島まで、およそ30㎞の猪垣が続いていたといいます。
この先では熊野市有形民俗文化財である「猪垣記念碑」も見ることができます。

二木島の町が見えてきました!
実はこの日は午後から雨の予報でしたが、なんと私たちが歩いている間は殆ど雨に降られませんでした!何ともラッキーでしたね。
東公雄さんの解説もとても面白く、快適な山歩きを楽しむことができました♪
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

貴重な史跡や楯見ヶ丘からの美しい景色など、見所が盛り沢山の曽根次郎坂・太郎坂を、是非皆様も歩いてみて下さい♪

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