『日本の100名城』の刊行以来、城めぐりがブームとなりました。『続日本の100名城』では山城が入り、山城の存在も一般的に知られるようになりました。今回は少しだけ城の魅力についてお話ししたいと思います。

私は「お城」の最大の魅力は石垣であると思っています。遠くから見ると天守閣が目を引きますが、お城に近づくと見事な石垣とお堀があり、天守閣よりもこれらの存在が城らしさであると思います。

特に熊本城はその傾向が強く、本丸に向かう際は両脇や正面に高々とそびえたつ石垣に圧倒されます。残念ながら地震で大部分が倒壊しましたが、一列のみで建物を支え持ちこたえた石垣が、当時の技術の高さと石垣の魅力を表現していたように思います。

と同時に石垣がない、もしくは少ない中世の山城も別の魅力があります。石を用いず、山の地形を最大限利用した防御機能を設計し、手掘りで作り上げた遺構には感動すら覚えます。

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一国一城令により多くの山城が廃城となり忘れられていきましたが、現代でも地形を見るとその名残を確認できます。築城者も城主も分からなくなってしまった山城でその地の盛衰を考えると本当にわくわくします。

※山城の写真です。左／弓場城跡　腰曲輪、中／弓場城跡　土塁、右／弓場城跡　本曲輪

私のスマートフォンの写真フォルダは藪の写真でいっぱいです。他の人が見れば藪にしか見えない写真も自分で見れば昔の人の努力の証です。そんな自己満足も楽しみの一つです。

　令和6年1月20日（土）に熊野のお城についての講演会があります。皆さまもお城の魅力に足を踏み入れてみませんか。
https://kumanokodocenter.com/events/20230120/