褶曲(しゅうきょく)

2024年2月1日

本日「知っている場所はありますか?東紀州みどころ百選!」に2月分のみどころを追加しました。交流棟小ホールの壁に展示していますので、熊野古道センターにお越しの際はぜひご覧になってください。

今回追加したみどころの中に「三浦峠の褶曲」があります。非常にわかりにくいパネルになってしまったので、補足したいと思います。

フェニックス褶曲

まず、褶曲とは地中の地層が付加体となるときに周囲の圧力により曲げられたり折りたたまれたりしたもののことをいいます。有名なところでは南紀熊野ジオパークのフェニックス褶曲があります。

三浦峠をくだってきたところ

 東紀州の、特に紀北町の海岸でもフェニックス褶曲ほどではありませんが褶曲がよく見られます。多田ヶ瀬の海岸にも見られます。しかし、三浦峠はかなり内陸にあり、工事現場以外で自然にみられるのは珍しいです。

三浦峠の褶曲

上の写真が褶曲の写真です。写真下と左の地層が曲がっています。この地層は海の底の深いところで上からの土砂が積もり、泥岩と砂岩が交互に積もった地層で、海底から隆起し陸地に押し付けられた時に圧力によって曲がりました。陸地に押し付けられたものを付加体といいます。

三浦峠の泥岩砂岩互層

ちなみに、上の写真の赤い線が曲がり具合を示しています。
熊野古道は、馬越峠から南は火成岩の石を使った石畳が殆どですが紀北町の石畳はこの付加体の岩石を使用しているので、他の熊野古道と石畳の風景が違います。特にはっきりわかるのがツヅラト峠の石畳です。このように地学の観点から熊野古道を歩き風景を眺めるとまた違って見えると思います。

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