2024年2月18日(日)講演会「熊野修験 女性山伏の世界」を開催しました!
2024年3月11日
イベントレポート
男性が中心の修験道の世界において、数少ない女性山伏として紀伊山地の深い山中で山岳修行を実践する女性山伏、成田瀧英さんを講師に迎え、熊野修験の魅力を伝える講演会を開催しました。
那智山を拠点として実践修行をする団体『熊野修験』は、主に那智の滝をはじめとする大小48の滝を巡る四十八滝回峰行や、標高千数百m級の急峻な山々が連なる大峰山脈で山林抖擻を行う奥駈という修行などを実践しており、現在は150年ぶりに再建された行者堂を根本道場として修行を実践しています。
本講演では、熊野修験に関することや、成田さんが山伏になった経緯と修行を実践していく中での自身の心の変化などについてお話しいただきました。
会場には熊野修験を20年以上にわたり追い続ける写真家、森武史さんの作品が並びました。伊勢和紙にプリントされた写真の他に、スクリーンでも映写され、ご来場の皆様の目を引いていました。
定員80名に対し、120名以上の方にご来場いただきました。遠いところでは、北海道、神奈川、兵庫、京都、大阪、奈良などからもお越しいただきました。
講師の成田さんは、先月、約2年にわたる那智山での加行を無事に終えられ、熊野修験復興後では初の女性加行満行山伏となられた話題の人です。
その注目の女性山伏、成田瀧英さんとのご縁を繋いでくださったのが、森武史さんでした。
令和3年の春、当センターで「森武史写真展『熊野修験』熊野修験再興三十三周年記念写真展として・・・」を開催していただいた森さんに、「講演を引き受けていただける女性の行者さんを紹介していただけませんか?」とお願いしたことがきっかけになります。
「ぴったりの女性がいます。」と、成田さんをご紹介していただきました。
このときは、当センターの開館記念日である2月10日に開催したいと思っていましたが、成田さんの本行最終日が2月11日ということが決定し、修行に集中していただくため、1週間後の開催となりました。
さて、成田さんに初めてお会いしたときの印象は、なんて華奢な方のだろうということでした。山伏というと、険しい山道を駈け抜ける屈強な体力と精神力を兼ね備えた人というイメージがあったからです。成田さんがどんなご縁で熊野修験山伏になったのか。とても興味を持ったことを覚えています。
ところで、今回の講演会にご来場いただいた方のうち、半数以上が女性でした。男性のイメージが強い修験道の世界で頑張っている成田さんの等身大のお話しを聴くことができる、成田さんにとっても初めての講演会ということで多くの関心が寄せられたのだと思います。
講演の前に行われた、成田さんと熊野修験の12名の山伏さんたちによる記念法要では、大ホールいっぱいに法螺の音やお経をあげる声が響き渡り、厳粛な雰囲気に包まれました。
講演会の様子は、当センター公式YouTubeチャンネルにて配信していますので、ぜひご視聴ください。
なお、動画には時間の都合でお話ししていただけなかった内容も収録していますので、当日ご来場いただいた方もぜひご視聴ください。
※画像はすべて森武史さんが撮影