熊野古道自然学校「秋の自然を楽しもう!紀伊半島の小動物観察会」

2023年11月17日

イベントレポート

11月11日(土)、熊野古道自然学校「秋の自然を楽しもう!紀伊半島の小動物観察会」を開催しました!

前日まで降っていた雨も止み、気持ちの良い気候でした。
講師の清水善吉さん(三重県文化財保護指導委員)のお話の後、矢ノ川峠に入っていきます!

早速何か見つけました。
平らな岩の上に小さな動物のフンが落ちています。

木の棒でバラバラにしてみると、中身は木の実ばかりのようですね。
これはイタチ科の哺乳類であるテンのものだそうです。
こんなに目立つ場所にフンを落とすんですね。
清水さんによると、ナワバリを示す為だそうです。なるほど…。

観察場所までは約2.5㎞を歩いて移動します。
少し長いですが、参加者の皆さんは元気いっぱいでした!

途中には、昭和15年に矢ノ峠の開通を記念して建てられた記念碑が。
かつては、この道をバスが走っていたのだから驚きですよね。

さて、いよいよトンネルに着きました。
ここからは全員でコウモリを探します。
果たして見つかるのでしょうか…!

無事に1匹捕まえました!
初めて間近で見るコウモリに皆さん興味津々。

こちらはユビナガコウモリ。
翼を広げていないからか、何とも小さくて可愛らしく見えます。
赤福餅みたいですよね。

コウモリの顔をしっかりと見る機会はなかなか無いので、皆さん正面からカメラで撮影をしていました。
上手に撮れましたか?

更にもう一匹発見!
こちらはモモジロコウモリです。
コウモリの重さは何と3~4gととても軽く、ネズミなどと比べて脂肪が無いそうです。
指の間にある皮膜の中には細い筋肉があり、自在に翼を動かすことができるんですね。
空を飛ぶことができる唯一の哺乳類であるコウモリの身体の構造は、とても興味深いです!

お疲れ様でした

観察を終えたコウモリは、個体識別用のアルミリングを付けて元の場所に放します。
このリングによって、コウモリがどれだけの距離を移動するのかを知ることができます。

さて、今度はオオダイガハラサンショウウオを探します。
狙うのは、今年の春に生まれた幼生(子ども)です。
参加者全員で探しましたが、残念ながら時間内に見つけることが出来ませんでした。
清水さんによると、例年よりもこの場所の水温が高いことが原因ではとのこと。
オオダイガハラサンショウウオが住むには暖かすぎたようです。

しかし、その近くで参加者の方が小さなナガレヒキガエルを発見しました!
小さくて可愛らしいこちらのカエルは、この春に生まれたもので、ここから10㎝以上にも成長します。
ちなみに、大きくなったナガレヒキガエルは先月の下見の際に発見しています。

大きいです、注意!

こんなに大きくなるんですね…。

少し紅葉していました

前年ながら、オオダイガハラサンショウウオは見られませんでしたが、コウモリ二匹とナガレヒキガエルの他、野生動物の糞やオオルリの巣跡なども観察することができました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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