「右」と「左」のくずし字

2023年11月9日

その他

 道標でよく見る「右」と「左」について、どのようなくずし字で書かれているか、熊野古道伊勢路沿いにある道標から集めてみました。

 まず、「右」です。

 今回調査した中では、それほどくずれている字はありませんでした。「口」の部分の最後の一画が、横棒ではなく点みたいになっている場合がありますが、全く読めないということはないと思います。

 次に「左」です。左はくずし方が3種類ありました。まず、全くくずしていない場合です。下の画像です。これは読めるのではないかと思います。

 次に、「エ」の部分が「左はらい」からくっついて続いている場合です。この場合、「エ」の最初の一画がほとんどなくなることが多いです。

 そして「エ」の部分が「ヒ」のようになっている場合です。これは「左」の異体字です。異体字とは形が違っても読み方や意味は同じ字のことです。この左の異体字は現在あまり使わないため、読めるという方も少ないのではないでしょうか。

 並べて見てみると、書き方の違いがよく分かるのではないかと思います。以上、「右」と「左」のくずし字についてでした。お読みいただきありがとうございました。

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